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長顔症候群
Long Face Syndromeの話。
長顔症候群は、アデノイド顔貌とも呼ばれ、鼻呼吸より口呼吸が影響している。
鼻呼吸から口呼吸になると、一般的な顎顔面の成長パターンから逸脱する。顔面高が増え、特に前下方に長くなる。鼻の幅が狭く、上唇は短く、唇が閉じにくく、開咬である。下顎角は増加する。舌位が低くなり、口呼吸となる。舌は口蓋触れなくなり、口蓋は狭く高くなる。
長顔症候群は遺伝的なものであり、口呼吸とは無関係であるという意見もある。逆に、遺伝的な狭い鼻咽頭があると口呼吸となる。しかしエビデンスはない。
にもかかわらず、気道の重要性に関しての議論は続き、歯科関係者は顎顔面の異常成長を予防するための口呼吸を説明すべきであると言われ続けている。
長顔症候群に関連する形態変化を説明する仕組みを示唆する研究がある。つまり、気道閉塞が原因であるという説と、他の要因が原因であるという説がある。姿勢の変化で、頭位が前傾になり、軟組織の伸展が起こり、頭蓋骨に力が加わり、気道変化を起こし、口呼吸につながるという説がある。
逆に、小猿の鼻の穴を2年間塞いで口呼吸にすると、長顔症候群としての形態的な特徴を持つようになったという研究がある。
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子供のうちに口呼吸は直せたら直したいものです。
Tourne, L.: The Long Face Syndrome and Impairment of the Nasopharyngeal Airway. Angle Orthodontist 60:(3)167-176, 1990.
2013-10-06その他の記事
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