歯科医 東のウェブログ
フロスが効く口も、効かない口もある
いつでもフロスがよいとは限りませんという話。
フロスを使うように、歯科医院で勧められる。歯科医師、歯科衛生士には、フロスは効果的だというドグマがある。
しかし研究はこのことを支持していない。ハブラシにフロスを加えてもメリットがないという研究がある。
オランダのアムステルダムの専門科学大学の研究者が、コクランレビューでハブラシ単独とハブラシ+フロスの比較を調べた。
187の論文を調べて、条件に合ったもの11本。コントロールトライアルで、期間は最低4週以上、被験者は18歳以上。
ほとんどの研究で、プラークレベルと歯肉炎レベルに関して、フロスの利点は認められなかった。
ハブラシなしでフロスのみを使った研究ではメリットがあるものもみうけられるが、ハブラシにフロスを加えたこのシステマティックレビューでは利点は認められなかった。2本の論文が、ブラッシングとフロスの使い方に関して平均以上の知識がある歯学生を含んでいた。一般の被験者よりはるかに知識があるにもかかわず、フロスの使用に利点は認められなかった。フロスは歯間部のプラークコントロールと歯肉炎に対しての第一選択とは言えない。
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万人にフロスがお薦めという根拠は認められていない。歯並びも歯の形もさまざまな条件が異なりますので、当然ですね。ご自分のベストのはみがき方法を歯科医院で教えてもらいましょう。
Berchier, C., Slot, D., Haps, S., Van der Weijden, G.: The Efficacy of Dental Floss in Addition to a Toothbrush on Plaque and Parameters of Gingival Inflammation: A Systematic Review. Int J Dent Hygiene 6: 265-279, 2008.
2013-12-08