歯科医 東のウェブログ
乾いたハブラシで磨く
お薦めのブラッシング方法のお話。
標準のブラッシング指導は、どこから磨き始めるかよりも、毛先をおく位置とハブラシの動かし方に焦点を当てている。下顎舌側歯面は、歯石も歯肉炎とも頻度の高い部位であるが、最後に磨くことが多い。
多くの臨床家が常識的に判断して、下顎舌側を最初に磨くように勧めている。この方法が成功したという報告はあるが、裏付ける研究はない。
29人の歯科衛生士が、歯石と出血を指標にして、舌側から磨き始めることの効果を調べる研究に参加した。
被験者は舌側に大量の歯石のあるひと126人。全員が忙しい臨床家なので、データ採取は、下顎舌側歯面に限定して、歯石とBOPを測定した。
歯科衛生士が被験者に、下顎舌側から磨き始めるように指導した。ハブラシはぬらさず、歯磨剤も付けずに磨くように指導された。普段通り、磨けたと感じるまでブラッシングした。この時点で、ハブラシを洗って、歯磨剤を付けて、再びブラッシングした。6ヶ月観察した。
55%がBOPが減少し、58%が歯石が減少した。下顎前歯のデータでは、歯石の減少は63%であった。
被験者の報告では、ブラッシング時間が長くなり、全体を磨くようになった。
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O'Hehirって、オヘアーってなかなか読めないですね、日本人は。オヘアーの前歯用のスケーラーは便利です。
O'Hehir, T., Suvan, J.: Dry Brushing Lingual Surfaces First. JADA 129:614, 1998.
2013-11-14その他の記事
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