歯科医 東のウェブログ
エアーポリッシングと歯肉縁下のメンテナンス
エアーポリッシングを利用した歯肉縁下のメンテナンスの話。
歯周病治療中の患者は、歯肉縁下の細菌叢をコントロールするために、定期的にメンテナンスに歯科を受診する。
キュレットとスケーラーで行われてきた。グリシン粉末を使った歯肉縁下へのアプローチが登場している。
スエーデンのイェーテボリ大学の研究者が、歯肉縁下の処置で、グリシン粉末のエアーポリッシングと超音波スケーラーとを比較した。
被験者は、異なったクアドラントでPPDが5から8mmの部位が2カ所以上ある歯周病メンテナンスの患者。2ヶ月間。コントロールは、EMS Piezon Master超音波スケーラーを使用して歯肉縁下のメンテナンスを行った。
テストグループは、グリシン粉末をEMSエアーフローにて歯肉縁下のメンテナンスを行った。
歯肉縁下の細菌を採取を、処置前、処置直後、2日後、14日後に行った。
歯周病検査は、処置前、14日後、60日後に行った。被験者は20人で、ひとつのクアドラントをエアーポリッシングで行い、別のクアドラントを超音波スケーラーで行った。
両方とも処置後すぐと2日後に、歯肉縁下の細菌が有意に減少した。
14日後には、歯肉縁下細菌はベースラインに戻った。PPDとBOPは、両方とも有意に減少した。
被験者はエアーポリッシングの方が快適であったと答えた。
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これはあくまで、初期治療が終了しているひとが対象の話ですので、普通の歯石取りなどの初期治療はエアーフローではできません。
Wennström, J., Dahlén, G., Ramberg, P.: Subgingival Debridement of Periodontal Pockets by Air Polishing in Comparison with Ultrasonic Instrumentation during Maintenance Therapy. J Perio 38: 820-827, 2011.
2014-01-26