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上唇小帯と虫歯
授乳中に上唇小帯短縮症があると虫歯になりやすいかも。
昔は、3歳で初めて歯科受診をしたものだが、現在では、小児歯科学会は1歳の誕生日か最初の歯が生えてから6ヶ月以内の歯科受診を勧めている。
6ヶ月のこどもでも初期虫歯ができる。母親の横で、気の向くまま授乳すると前歯に虫歯ができたという報告が1977年にある。下顎前歯は舌の動きのおかげで、虫歯になりにくい。
一方、上唇小帯短縮症は、授乳による虫歯と関係している。授乳後すぐに、上顎前歯を検査すると、母乳の残存が確認できる。
寝ながら授乳したことがないのに、子供の初期虫歯があると、上唇小帯短縮症が観察できることがある。
小児歯科医が、新生児から3歳までのこども350人を対象に、上唇小帯の分類をした。
ClassI)上唇小帯がないか、ほとんど認められない。
ClassII) 上唇小帯が粘膜歯肉境付近に付着している。
ClsssIII) 上唇小帯が、上顎乳切歯間に付着している。
ClassIV) 上唇小帯が、口蓋にまで伸びている。
虫歯にはClassIIIとClassIVが、関連している。
上唇小帯の切除は歯科医院でレーザーにより処置できる。
Kotlow, L.: The Influence of the Maxillary Frenum on the Development and Pattern of Dental Caries on the Anterior Teeth in Breastfeeding Infants: Prevention, Diagnosis, and Treatment. J Human Lactation 26: 304-308, 2010.
2014-04-06