歯科医 東のウェブログ
歯周病は関節リウマチの引き金になるのか?
Do perio bugs trigger rheumatoid arthritis?
Martinez-Martinez, R., Abud-Mendoza, C., Patiño-Marin, N., Rizo-Rodriguez, J., Little, J., Loyola-Rodriguez, J.: Detection of Periodontal Bacterial DNA in Serum and Synovial Fluid in Refractory Rheumatoid Arthritis Patients. J Clin Perio 36: 1004-1010, 2009.
関節リウマチは慢性歯周病と同じ進行をする慢性炎症である。関節リウマチの病因論はまだ不明。感受性宿主において感染性物質が関節リウマチの炎症過程を引き起こしていることが示唆されてきた。考えられているのは、マイコプラズマ、EBウイルス、サイトメガロウイルス、麻疹ウイルス、歯周病原菌である。
メキシコの研究者が歯周病と難治性の関節リウマチの両方に罹患している19人の患者で、歯周病原菌またはその細菌由来のDNAが血清と滑液中にみられるかどうかを調べた。菌血症を避けるために、採血と滑液の採取の後に、歯肉縁下のプラークを採取した。プラークサンプルは右上の6と右下の1と左下の4または5から採取した。
PiとPgが3つの部位すべてにみられた。歯周病原菌からのDNAは、血清と滑液のサンプルにみられた。
血清と滑液のサンプルが培養されて、細菌が育つかどうか調べたが、育たなかった。free DNA formが血流で歯周ポケットから膝関節に転送されることが分かった。マウスの実験ではサイトカインを遊離して骨破壊を起こす炎症反応の引きがねとなるかもしれないということが示されている。
2010-06-03