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根管洗浄の2つの方法の術後痛の比較
根管治療の痛み、洗浄方法によっても違うことが分かった。
洗浄液が根尖の狭窄部から押し出されると術後疼痛となるかもしれない。次亜塩素酸ナトリウムは歯根膜スペースに押し出されると、組織に重度の刺激を与え、根管外組織が壊死する可能性がある。この危険を減らすために異なる洗浄方法が検討された。根管治療用の細いシリンジと、陰圧を利用するタイプをペンシルベニア大学の研究者が比較した。
110本の抜髄しなければならないけれど症状のない単根管の前歯または小臼歯を2つの異なる洗浄方法で根管処置した。歯は無作為に2つのグループ、根管治療用シリンジで洗浄するMPグループ(Max-i-P,Dentsplyを使用)、EVグループ(EndoVac, Discus)にわけられた。術後はイブプロフェン200mg処方され必要なら8時間毎に服用するようにした。痛みのレベルはアナログスケールで、4時間後、24時間後、48時間後に測定した。イブプロフェンの量も同じ間隔で記録した。
治療から0-4時間、4-24時間、24-48時間の間隔では、EVグループがMPグループより有意に痛みが小さかった。0-4時間、4-24時間の鎮痛薬の服用量も有意に小さかった。24-48時間の服用量は有意差は認められなかった。
EndoVacを使用したほうが従来の根管治療用のシリンジを使うより処置後の痛みが有意に減少することが示唆された。
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Eudes Gondium Jr, Frank C.Setzer, Carla Berlli dos Carmo, Syngcuk Kim, Postoperative pain after the application of two different irrigation devices in a prospective randomized clinical trial.
JOE,vol36,1295-1301, 2010