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レトロフィリングの材料比較
アマルガム、SuperEBA、MTAのどれが骨再生によいのだろうか?
Baek SH, Lee WC, Setzer FC, Kim S.Periapical bone regeneration after endodontic microsurgery with three different root-end filling materials: amalgam, SuperEBA, and mineral trioxide aggregate.
J Endod. 2010 Aug;36(8):1323-5. Epub 2010 Jun 14.
歯根端切除術の際に使用する根充材にはいろんなものがある。理想的には、生体適合性、殺菌性または少なくとも静菌性、隣在組織に為害性がなく、封鎖性が良く、さらに元の組織の再生を促進するものである。アマルガムは、1990年代まではよく使われたが、最近では安全性と完全性について、つまりイオンの遊離、水銀の毒性、腐食、電気分解、遅延膨張、歯肉への着色などがあるので疑問視されている。
強化型酸化亜鉛ユージノールセメント(SuperEBA)は、封鎖性と根尖部での生体親和性と再生能力においてアマルガムより優れている。1993年に登場したMTAはすばらしい封鎖性と、骨芽細胞の活性化を促進させることがわかっている。アマルガムやSuperEBAに比べると細胞毒性が少なく、抗菌性もある。
ペンシルベニア大学の研究者が、歯根端切除術での根充材についてこの3つを比較した。
5匹のビーグル犬の小臼歯と大臼歯を使った。根尖病変を起こさせて、根管治療を行った。1週間後に歯根端切除術をマイクロサージェリーで行った。3つの根充材を使用した。アマルガム、SuperEBA、MTA。4ヶ月後、病理標本を作り、根尖から再生骨までの距離を測定した。
MTAとアマルガムには有意差が認められた。アマルガムとSuperEBA、MTAとsuperEBAとの間には有意差は認められなかった。
MTAが一番推奨できる。再生された骨までの距離は、犬の歯根膜の厚さと似ていた。
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MTAは使いやすければ万能なんだけど。