歯科医 東のウェブログ
禁煙指導時の障害
禁煙時に困ることは
18歳以上のアメリカ人の21%が喫煙者であると見積もられている。禁煙を助ける方法は、対話式のCD-ROMコース、動機づけの面接、各種のニコチン代用薬がある。アメリカ合衆国公衆衛生局の臨床実践ガイドラインによれば、「5つのA」面接方法が提案されている。Ask, Advise, Assess, Assst, Arrangeである。喫煙者は医療関係者からのアドバイスは禁煙のための重要な動機づけになると答えているが、1つの方法では禁煙は成功しないと言われている。努力や研究にもかかわらず、禁煙のためのカウンセリングは、通常、歯科医師や歯科衛生士からは提供されていない。理想的には歯学部や歯科衛生士学校で始められて、臨床で実行されるべきである。
ピッツバーグ大学歯学部の研究者が、「5つのA」カウンセリング方法を、学生と学部の先生に教育した。さらに薬学部の依存症の専門家に、禁煙補助薬について教育を受けた。
32人の学生と8人の学部の先生でのベースライン調査により、禁煙のためのカウンセリングには障害があることが分かった。時間、効果、信頼である。トレーニング6ヶ月後、二度目の調査が26人の学生と4名の学部の先生に行われた。学生の報告では、禁煙のためのカウンセリングは思ったより時間がかからなかったが、もっと知識が必要で、準備が必要だと感じて、自信を失ってしまった。
8人参加して最後まで参加したのが4人だけという、学部の先生によるこの計画への責任感の欠如が、根本的な問題を物語っている。大学の歯科医師は仕事量が非常に多く、すでにいっぱいのカリキュラムに加えて仕事をする気にならなかったのだろう。
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まあ後半はしゃれですが、アメリカでも禁煙指導は歯科ではあんまりやってないのですね。
O’Donnell, J., Hamilton, M., Markovic, N., Close, J.: Overcoming Barriers to Tobacco Cessation Counseling in Dental Students. Oral Health Prev Dent 8: 117-124, 2010.
2010-12-11