歯科医 東のウェブログ
虫歯と歯周病は同時に見つかる?
虫歯がないと歯周病にやられて、虫歯があると歯周病にはなりにくい?
ある研究では虫歯と歯周病は同時に見つかるということだし、他の研究では虫歯になりやすいひとは虫歯だけ、歯周病の人は歯周病だけということである。虫歯も歯周病も、細菌性バイオフィルムの蓄積による常在細菌が原因である。唾液の酸性度により、虫歯か歯周病かが決めきまるという疑いがある。酸性になると虫歯で、通常の酸性度なら歯石が形成され歯周病になるという疑いである。この疑問については研究されていない。
フィンランドのオウル大学の研究者が、国民健康調査の一環として、30歳以上の5000人のひとで、齲蝕と歯周病の罹患率を比較した。臨床検査が5つの分野のチームにより行わた。ヘッドランプ、口腔内ミラー、プローブ、探針を使用した。圧搾空気が検査前に歯面を乾燥させるために利用された。
それぞれの歯で、最も大きなプロービング値が記録され、3つに分類した(なし、4-5mm, 6mm)。齲蝕の検査は、齲窩があり、かつ、象牙質まで達している場合を記録した。
65%が4mmのプロービング値であり、21%が6mmであり、29%が齲蝕が認められた。齲蝕の罹患率はイギリスやアメリカより有意に低かった。おそらくフィンランドではキシリトールが使用されているせいであろう。
プロービング値が6mmのグループでは44%が齲蝕があった。歯周病的に健康なグループは、23%が齲蝕があった。より重度の歯周病と齲蝕は、同一患者にみられる傾向があった。
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たしかに齲蝕が多いおくちと、歯周病だけにひどくやられているおくちは、あります(感覚)。
でも両方やられているおくちももちろんあります。
O’Donnell, J., Hamilton, M., Markovic, N., Close, J.: Overcoming Barriers to Tobacco Cessation Counseling in Dental Students. Oral Health Prev Dent 8: 117-124, 2010.
2010-12-22