歯科医 東のウェブログ
シーラントと充填
シーラントは効き目があるのでしょうか?
先進国では虫歯は減少しているが、隣接面虫歯はまだ重要な問題である。
5歳児の81%が未処置の隣接面のエナメル質虫歯があり、青年期のの96%が1本かそれ以上の治療歯または未処置歯があるという報告がある。虫歯に対してリスクの高い青年期は、平均4本の齲蝕がある。エナメル質の表面の脱灰は、無傷のエナメル質と比較して10倍から50倍もろくなっている。再石灰化を促進させる古典的な予防の方法は、口腔衛生をよくする、フッ素や食生活を気をつけるとういことであるが、完全ではない。シーラントと充填は脱灰を防止して、再石灰化を促進することもある。シーラントは虫歯でない部分をカバーして脱灰を防ぐ。充填は歯の欠損部を、低粘性の光重合レジンに置き換え、機械的な強度を与え、エナメル質の破折を防ぎ、虫歯の進行も防ぐ。
ブラジルのサンパウロのカンピナス大学の研究者が、欠損のない隣接面の初期虫歯の治療のためのシーラントと充填との比較論文をレビューした。臨床的な研究とラボでの研究を比較するのは難しい。ラボでの研究は、出発点であり、臨床的な研究が、シーラントと充填を比較するのに、さらに必要となる。研究によれば、フッ素は、エナメル質の表面を強化するが、欠損のない虫歯の深部には届かないので、フッ素は治療前に使用しなかった。
Kantovitz, K., Pascon, F., Nobre-dos-Santos, M., Puppin-Rontani, R.: Review of the Effects of
Infiltrants and Sealers on Non-Cavitated Enamel Lesions.
Oral Health and Prev Dent 8: 295-305, 2010.