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広汎性侵襲性歯周炎には最初に抗菌薬
抗菌薬投与のタイミングは重要
広汎性侵襲性歯周炎GAgPは、重度に支持歯槽骨を破壊し、しばしば若い年齢で歯を失ってしまう。初期治療は病原細菌を減少させたり、なくしたりすることである。研究者は、抗菌薬を治療に使うことを提案した。
ロンドンのイーストマン歯科研究所の研究者が、抗菌薬の投与のタイミングが治療結果に影響するかどうかを調べた。2段階の研究で、最初に、41人のGAgP患者に対して、2日以内にフルマウスのSRPを行った、半数にプラセボ薬、残りの半数にアモキシリンとメトロニダゾールを与え、7日間服用させた。患者はすべてクロルヘキシジン洗口薬を与えられ、1日2回、2週間使用した。臨床検査はベースライン、2ヶ月後、6ヶ月後に行った。
6ヶ月後、全員がフルマウスのSRPを再度受けた。前回プラセボ薬を与えられた患者は、抗菌薬を与えられた。
最初の2ヶ月の時点では、プラセボ薬グループも抗菌薬グループもどちらも、大きく治癒した。8ヶ月の時点では、さらに治癒が認められ、9ヶ月までに治癒が認められるという他の文献と同じであった。最初に抗菌薬を服用したグループの方が、再SRP時に抗菌薬を服用したグループより、大きな治癒が認められた。これは最初グループの方が血管新生が早く行われたせいで、抗菌薬がより病巣に運ばれたのかもしれない。
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広汎性侵襲性歯周炎の治療をする場合は、初期治療時に抗菌薬を併用することを検討してみる。
Griffiths, G., Ayob, R., Guerrero, A., Nibali, L., Suvan, J., Moles, D., Tonetti, M.: Amoxicillin and Metronidazole as an Adjunctive Treatment in Generalized Aggressive Periodontitis at Initial Therapy or Re-treatment: A Randomized Controlled Clinical Trial. J Clin Perio 38: 43-49, 2011.
2011-03-29