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歯周病のためのカクテル
メトロニダゾールとアモキシリンのセットは侵襲性歯周炎によく効く
広汎型侵襲性歯周炎(GAgP)はしばしば急速に進行し、Aa菌と関連している。20年前、Arie Jan van Winkelhoff教授がGAgP患者に、SRPと同時にメトロニダゾールとアモキシリンを処方する考えを提唱した。van Winkelhoffのカクテルとして知られるようになった。この方法は、特にAa菌の感染への治療として考えられた。
スイスのバーゼル大学の研究者が、4人の喫煙しているGAgP患者から採取したプラークサンプルで、メトロニダゾールとアモキシリンの細菌感受性テストをした。患者ごとに2ヶ所の深いポケットからプラークを採取して、すぐに血液寒天培地で培養して、いろんな濃度と組み合わせを調べた。
標準寒天培地での細菌数は非常に高かった。
低濃度のアモキシリンはCFUを減少させていた。
高濃度では2つのサンプルの成長を予防し、他のサンプルの成長を減少させた。
メトロニダゾールは、低濃度と高濃度ともに、細菌数を減らしたが、成長を止めることはできなかった。アモキシリンとメトロニダゾールの組み合わせでは、4つのサンプルすべての細菌の成長を止めた。
4つのプラークサンプル中の細菌に対してすべて成長を停止させることから、アモキシリンとメトロニダゾールの組み合わせは、付加または相乗効果があると考えられる。
抗菌薬の使用は、歯周病治療のルーティーンにすることは推奨されないが、広汎型侵襲性歯周炎(GAgP)で、とくに喫煙者の場合は、ウィンケルホッフのカクテルはかなり効き目があると考えられる。でも日本ではメトロニダゾールは健康保険では歯周病には使えないですねぇ。
Walter, C., Kulik, E., Weiger, R., Zitzmann, N., Waltimo, T.: Additive or Synergistic Antimicrobial Effects of Amoxicillin and Metronidazole on Whole Plaque Samples: A Preliminary Report. J of Inter Academy of Perio 13: 11-16, 2011.
2011-03-24