歯科医 東のウェブログ
針の破損
麻酔の針が折れる事故はいまはないと考えていいです。
局所麻酔の針が折れる事故は今日ではめったに起こらないが、起こると厄介である。1960年代以降は、ISO国際標準化機構によって、使い捨てのステンレスの注射針が規格されている。使い捨ての注射針の使用と、冶金学の進歩と麻酔の訓練のおかげで、注射針の破損はほどんどなくなった。1955年、最初の使い捨てのプラスチックの注射針のモノジェクトが登場して、続いて、1956年プラスチックの使い捨てのシリンジが登場して、ガラス製のシリンジに取って代わった。
スイスのチューリッヒ大学の研究者が、1900年から今日までの、針の破損の論文のレビューをした。もっとも多く起きる破折が報告されていないので、1966年から今日までの、使い捨ての針に焦点を合わせた。ケースレポートは、16歳以下が23人、16歳以上が40人、3歳から71歳までの年齢で、平均が28歳であった。
一番多い(70%)の針の破損は、下歯槽神経伝達麻酔時であった。他の針の破損は頬側であった。骨内麻酔時にはほとんど起きなかった。破折の原因は、突然患者が動いたり、30ゲージで短い針を下歯槽神経伝達麻酔に使ったり、特に根元で針を曲げたことであった。
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麻酔の針が折れた経験はないです。いまの製品は優秀ですね。
Augello, M., vonJackowski, J., Grätz, W., Jacobsen, C.: Needle Breakage During Local Anesthesia in the Oral Cavity - A Retrospective of the Last 50 Years with Guidelines for Treatment and Prevention. Clin Oral Invest 14: online July 13, 2010.
2011-03-10