歯科医 東のウェブログ
喫煙者の歯周病治療ための薬
喫煙者は歯周病治療の、治癒が悪い。
喫煙は歯周病の重大なリスクファクターであり、治療の後の妥協的な治癒しか望めない。喫煙は身体の免疫応答を抑制し、健全な結合組織を破壊するサイトカインを遊離する引きがねとなり、サイトカインを治癒から守ってしまう。大量の研究で喫煙により歯周病が進行するということが認められているにもかかわらず、喫煙者にも非喫煙者に対しても治療とメンテナンスは同じである。喫煙を続けている患者への歯周病治療には確立されたプロトコールはない。
アラバマ大学の歯学部の研究者が、喫煙者において、宿主能力の調整を利用する治療法がSRPとメンテナンスにメリットがあるかどうかを文献レビューを行った。
このテーマの31本の論文をチェックして13本を調べ9本がテーマに関連あるものだった。テストされた宿主制御薬は2種類あり、少量のドキシサイクリンと少量のフルルビプロフェンである。圧倒的多数で喫煙者に宿主調整の治療を行った後は、SRP後の治癒が改善した。浅いポケットのものより、中等度から重度のポケットのほうに顕著であった。この少量の薬剤をSRP時に喫煙者に投与すると、原因とされる細菌数が減少した。
喫煙のせいで炎症が増悪するので、サイトカインレベルを減少させる宿主の制御薬を処方する事で、治癒の促進が出来る。
Geisinger, M., Holmes, G., Geurs, N., Vassilopoulos, P., Reddy, M.: Host Modulation for Smokers Undergoing Periodontal Maintenance: A Review of Current Evidence. Clin Adv Periodontics 1: 54-60, 2011.
2011-09-28