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遺伝子検査で子供の虫歯予想
虫歯になりやすいかどうか、子供では遺伝検査でわかります。
齲蝕は慢性疾患で、世界中のひとが罹患しており、子供では有病率が一番高い疾患である。齲蝕は多くの因子の影響を受けている。細菌叢、食生活、フッ素の利用、口腔衛生状態、唾液分泌、唾液の成分、歯の構造。
双子で、齲蝕になりやすさを調べた最近の研究によれば、遺伝因子も考慮すべきであるということが示唆されている。ピッツバーグ大学とウエストバージニア大学とアパラチアのオーラルヘルスリサーチセンターの研究者が、両親と子どものペアで長期の口腔の健康について評価を行った。
食習慣が齲蝕の重要なリスクファクターであるので、味覚に関連する遺伝子が、齲蝕形成において役割を果たしているという仮説が立てられた。被験者は496人の乳歯列の子供と、562人の混合歯列の子供と、1391人の成人で、血液、頬粘膜、唾液からDNAサンプルが採取された。トレーニングされた歯科医師と歯科衛生士により、齲蝕検査が全員に行われた。
遺伝子上の特定のアミノ酸置換が、味覚と比較して解析された。苦味にとても敏感なひとは、「スーパーテイスター」と呼ばれる。苦味に鈍感なひとは、「ノンテイスター」と呼ばれる。
ひとりひとりが、異なったアミノ酸のパターンを示した。
齲蝕レベルとの関連に関して、これらの遺伝子は大人ではなく、子供の齲蝕割合に影響しているようにみえる。「スーパーテイスター」を示した遺伝子をもつひとは、齲蝕に対して防御的な効果を経験しているようにみえる。「ノンテイスター」の遺伝子のひとは、カリエスリスクが高いことに関連している。
Wendell, S., Wang, X., Brown, M., Cooper, M., DeSensi, R., Weyant, R., Crout, R., McNeil, D., Marazita, M.: Taste Genes Associated with Dental Caries. J Dent Res 89 (11): 1198-1202, 2010.
2012-03-26