歯科医 東のウェブログ
お口の中の細菌の検査
ATP Testは、虫歯のリスクを調べるのに役に立ちそうです。
虫歯のリスク検査にもいろいろあります。
多くの齲蝕原性細菌が、プラークバイオフィルム中で歯に接着すると、摂取されたショ糖が酸に変えられてエナメル質を脱灰する。唾液は脱灰された歯面を再石灰化するが、酸に多くさらされると脱灰に有利に傾く。
バイオフィルム中の細菌数を測定することは、将来の虫歯のリスクを決定するために価値ある情報になる。ポートランドのオレゴン健康科学大学の研究者が、チェアサイドでの細菌数計測を実験室のものと比較した。
実験室でプラークサンプルを培養して、口腔内細菌数と、特定の口腔内細菌を決定する。実験室での分析とカリスクリーンというチェアサイドでの分析は、どちらも生物発光を使った細菌のATP産物を測定する。この方法は、細菌が放つ可視光を測定する。バイオフィルム中の細菌のエネルギー潜在力を測定する事は、実際の細菌数を反映することになる。
被験者は7歳から12歳の子供33人。プラークと虫歯を調べて、唾液サンプルを採取した。プラークバイオフィルムサンプルは、それぞれのクアドラントから1歯の表面から採取して、並列試験を実験室と、チェアサイドで行った。
チェアサイドでの方法は、採取したプラークバイオフィルムを塗布する。
塗布したものを鞘に戻し、反対側のバルブを開けたままにして、塗布したものが出るようにした。
鞘の閉じた側は、解析装置に接続した。実験室とチェアサイドでの生物発光の読み取りは互換性があった。
培養での細菌数は、チェアサイドでの読み取り値と類似していた。
進行中の虫歯の臨床所見は、チェアサイドテストの値と高い相関があった。
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将来的には虫歯のリスクもチェアサイドでもっと簡単に決められるかもしれません。
Fazilat, S., Sauerwein, R., McLeod, J., Finlayson, T., Adam, E., Engle, J., Gagneja, P., Maier, T., Machida, C.: Application of Adenosine Triphosphate-Driven Bioluminescence for Quantification of Plaque Bacteria and Assessment of Oral Hygiene in Children. Pediatric Dent 32: (10) 195-204, 2010.
2012-04-04