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インプラント周囲炎の治療(2)
インプラント周囲炎の治療
インプラント周囲の炎症は、天然歯の周囲の感染と炎症に類似している。
天然歯の場合と同様に、インプラント周囲炎の原因は細菌バイオフィルムである。感染症の約65%が細菌バイオフィルムである。黄色ブドウ球菌がインプラント周囲炎に関係している。
異物感染もまた黄色ブドウ球菌が原因であるのでこれは興味深いことである。黄色ブドウ球菌はチタンにも付着するようである。
インプラント周囲炎の治療は、従来の歯周病の治療に従う。フィクスチャーの形状とデザインによりバイオフィルム形成が促進され、補綴物がバイオフィルム除去の邪魔になる。機械的清掃が第一選択であるが、抗菌薬やレーザーによる治療も行われている。
スエーデンのクリシャンスタード大学とダブリンのトリニティカレッジの研究者が、インプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎の治療法のレビューを行った。
437本の研究から24本が条件を満たした。
非外科的な治療はインプラント周囲粘膜炎に対して効果的であったが、インプラント周囲炎に大しては効果的ではなかった。局所的や全身的な抗菌薬の補助的な使用は効果があった。
レーザーは限定的な効果があったが、まだ論文が少なすぎる。さらに抗菌性の洗口液は、機械的清掃の効果を促進させた。
中等度の骨吸収のある歯周炎より歯肉炎の治療のほうが簡単であるという天然歯とおなじである。
歯周病の治療と同じく、インプラント周囲炎のためには様々な治療法があり、組み合わせて使うことでよい結果が得られている。
Renvert, S., Roos-Jansaker, A., Claffey, N.: Non-Surgical Treatment of Peri-Implant Mucositis and Peri-Implantitis: A Literature Review. J Clin Perio 35 (Suppl 8):305-315, 2008b.
2013-03-16