ひがし歯科

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砂糖とプラークのpH

砂糖にふれると口腔内は急に酸性になります。

ちょっと古いお話。多く引用されている1944年の研究がある。

この研究に先立って1890年にW.D.Millerは、エナメル質の脱灰は、今日依然として信じられている、細菌の代謝した糖質が産生する酸によると主張していた。

しかし酸を産生する細菌は、虫歯のあるひとの口腔内でも、虫歯のないひとの口腔内でも検出された。そのことは齲蝕感受性のあるひと齲蝕免疫のあるひとという考え方ににつながっている。
さらに開放型の齲蝕病巣ではpHは酸性に傾いていているが、残留している唾液は危険な酸性域ではないというエビデンスが提示された。

この研究は、ショ糖を含む液で含嗽した後にプラークのpHの変化が、虫歯のあるひとと、虫歯のないひとの間で同じかどうかを調べるために行われた。

被験者は5グループにわけた。虫歯のないひと、虫歯が進行していないひと、少し虫歯が進行しているひと、顕著に虫歯が進行しているひと、非常に顕著に虫歯が進行しているひと。
被験者はテスト前の3日から4日間、歯磨きを控えるように指導された。
上顎と下顎の前歯の唇側面でプラークpHを測定した。さらに歯肉、耳下腺付近の頬粘膜、顎下腺付近の口腔底、舌背でpH測定を行った。

ベースライン測定後、被験者は10%グルコース溶液で2分間お口をすすいだ。その後1時間、10分間ごとにpH測定を行った。

齲蝕活動性のないひとと比較すると、齲蝕活動性が一番高いグループの方が、プラークpHの酸性への傾きとその時間が大きかった。齲蝕活動性の高い人でさえ、プラークpHが下がるのは5分以内であった。
隣接面は、唾液が入り込みにくいせいで、糖質の食品が長くとどまるせいで、pHが長い時間低かった。

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口腔内細菌プラークのpHに関してショ糖の影響を表しているStephan curveステファンカーブとして、引用されるものです。それにしても大昔。

Stephan, R.M.: Intra-Oral Hydrogen Ion Concentrations Associated with Dental Caries Activity. J Dent Res 23: 257-266, 1944.

2012-04-06 チョコレートはフルーツ 唾液と虫歯
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